TREATMENT PROTOCOL — 処方について
病型と重症度に応じた、
標準プロトコル。
FIPサポート が推奨する処方プロトコルは、ドライ型/ウェット型それぞれの病態に応じて
投与量・投与期間を最適化したものです。本ページの内容は治療指針であり、
実際の投与量は獣医師の最終判断に従ってください。
標準的な治療フロー
診断から治療完了まで、5つのステップ
01
診断・重症度評価
血液検査、超音波、症状の確認、腹水性状の確認
02
初期治療:注射
15〜25日間の注射剤(20mg/ml)による集中治療を推奨
03
経口へ移行
状態が安定した後、錠剤による経口治療へ切り替え
04
調整・観察
症状・反応に応じて投与量を調整、定期検査で経過観察
05
治療完了
ドライ型: 通常84日(最短60日)/ ウェット型: 通常60日(最短40日)
DRY TYPE — ドライ型
ドライ型 注射処方量
1本6mlバイアル、20mg/ml を使用
通常用量(体重1kgあたり)
0.6 – 0.8ml / kg
重症例(神経症状・進行ぶどう膜炎)SEVERE 0.8 – 1.0 ml/kg
体重別 1日投与錠数(経口移行期)
基本は体重2kgにつき1錠。1kg以下の子猫は0.5錠。4kg超や中間体重は獣医師の判断で調整。
主な適応・重症症状
後肢の脱力(ふらつき、起立困難)/ 神経症状(痙攣、旋回運動など)/ 眼病変(ぶどう膜炎、眼の白濁)
WET TYPE — ウェット型
ウェット型 注射処方量
1本6mlバイアル、20mg/ml を使用
推奨用量(体重1kgあたり)
0.4ml / kg
用量範囲(病状に応じて調整) 0.4 – 0.6 ml/kg
体重別 1日投与錠数(経口移行期)
基本は体重2kgにつき0.5錠。1kg以下の子猫は1/4錠。ウェット型は比較的低用量で管理可能。
投与量決定のポイント
症状の軽重に応じて増減/ 腹水・胸水の減少度合いを確認/ 経口移行は腹水減少・状態安定後
CO-MEDICATION — 併用療法
両病型に共通する、併用推奨療法
抗ウイルス薬単独ではなく、炎症抑制・臓器保護を組み合わせることで予後を改善できます。
必須
抗炎症薬
血管炎や肉芽腫による炎症を抑制するため、必ず併用してください。投与初期から10日前後を目安とし、長期連用は避けてください。10日以降も体内の酸化ストレスは高い状態が続くと考えられるため、抗酸化サプリ(ビタミンE、CoQ10、SAMe、グルタチオン、レスベラトロール、ブロードスペクトラム CBD など)の摂取もご検討ください。
プレドニゾロン
ステロイド系
NSAIDs
推奨
肝臓保護薬 / サプリメント
長期投与による肝臓への負担を軽減するため、可能な限りの併用を推奨します。投薬期間中は定期的な血液検査で経過観察を。
SAMe(肝保護)
ビタミンE
CoQ10
グルタチオン
レスベラトロール
ブロードスペクトラム CBD
CRITICAL POINTS — 運用・管理
両型共通の重要確認事項
i.
注射期から錠剤期への移行
初期15〜25日は注射で確実に血中濃度を維持し、状態安定後に錠剤へ切り替えることで再発リスクを低減します。
ii.
症状による個別調整
提示された投与量は目安です。症状の改善度合いや体重の増減に合わせて、獣医師が投与量や期間を柔軟に調整します。
iii.
飼い主の服薬遵守
長期治療(最大84日)となるため、飼い主のモチベーション維持と、毎日の確実な投薬コンプライアンスが重要です。
SUMMARY — 治療プロトコル比較
ドライ型 / ウェット型 まとめ
| 項目 |
ドライ型 |
ウェット型 |
| 初期注射期間 |
15 – 25 日 |
15 – 25 日 |
| 推奨注射量 |
0.6 ml/kg |
0.4 ml/kg |
| 注射用量範囲 |
0.6 – 0.8 ml/kg重症 〜1.0 ml/kg |
0.4 – 0.6 ml/kg |
| 経口錠 基準量60mg / 錠 |
体重2kgにつき 1錠1kg以下は0.5錠 |
体重2kgにつき 0.5錠1kg以下は1/4錠 |
| 経口錠 体重別目安1日1回 |
〜2kg:1錠 / 〜4kg:2錠 |
〜2kg:0.5錠 / 〜4kg:1錠 |
| 総治療期間 |
通常 84 日最短60日 |
通常 60 日最短40日 |
⚠ 免責事項
実際の投与量・期間は、個体の症状や検査結果に基づき獣医師が最終判断します。猫への注射が困難の場合は錠剤のみの適用も可能です。
本ページは治療指針であり、医療的判断の代替ではありません。